営業を行っている人は、商談で受注できるようにいろいろやり方を工夫しています。
確実に受注が取れる魔法のような営業トークがあればいいですが、人を相手にする営業の中でそのような魔法は残念ですが、ありません。
しかし、受注確率を上げていく方法あります。
今回は、受注確率を上げるための営業トークテクニックであるテストクロージングについて紹介します。
本記事を参考に明日からテストクロージングを活用できるようになります。
テストクロージングとは?
テストクロージングとは、営業がお客様と商談している中で、お客様の検討度合いを把握していくための、営業トークになります。
テストクロージングをすることで、今のお客様が契約してくれるための懸念点を見つけ出し、それを解決していくような提案をしていく事で、受注確率を高めるためる事が出来ます。
イメージとしては、「契約をしてください!」とクロージングをするのではなく、契約について心配な点はないですか?と何気に質問することで、現状の顧客の状況を把握することが目的です。
契約について何か心配な点はないですか?
〇〇のサポートが心配です。。。
上記のような例だと、契約するには〇〇のサポートの課題を解決してあげることが必要になります。
このようなケースだと営業はサポートについて安心してもらうための説明を追加していく事で、受注確率をアップさせることができるようになります。
このようにテストクロージングをすることで、お客様がこの後、契約してくれるかどうか?ある程度確認ができてきます。
もし契約の可能性が低いと判断したのであれば、そのお客様に時間を割くのではなく、他の商談に時間を割くような行動もでき、営業時間の効率化も行えるようになります。
商談で受注するには
テストクロージングの説明の前に、商談で受注するためにはどのような事が必要か考えてみましょう。
そもそもお客様が何か物を検討するのは、明確な理由があるから検討します。
例えば、車を購入しようと考えている人は、免許を取ったばかりで車を持っていないという理由で購入するケースもあれば、今の車が古くなったので新しいのを検討しようと考えている人もいます。
人によっては、初めて彼女が出来てドライブがしたいと思い、車の購入を検討する人もいるかもしれません。
このように、何かを検討している人は、何か理由があるから検討をしているのです。
その理由によって、どのような商品を購入するかが変わってくるのです。
例えば先ほどの車の例でいくと、免許を取ったばかりの人は、まだ運転になれてないので、あまり高級車は好まないかもしれません。逆に彼女とドライブを考えている人は、高級車を好む可能性も高いのです。
免許を取ったばかりの人に、高級車を提案しても受注する確率は低くなるのです。
営業は、お客様の検討理由を聞き、そのお客様に合わせてベストな提案をしていきます。
しかし営業の難しい所は、検討する理由を解決できたとしても、受注出来るかどうかは、分からないのです。
お客様は、提案を聞いて自分の課題が解決出来るのは分かったとしても、今度は、購入する価値があるかどうか?悩みます。
ここが営業で難しいところです。
この悩みをクリアする事が出来れば、お客様は商品を購入するのです。
例えば、何かを検討してもやっぱり購入を諦める事は、誰でもあると思います。
テストクロージングは、この様な商談中に出てくるお客様の悩みを明確化していき、クリアしていくのに非常に役に立つ営業トークです。
テストクロージングのメリット
ここではテストクロージングを行うメリットを紹介します。
契約までの課題が明確になる
テストクロージングは、提案の中で、検討状況を確認できるような質問をして、状況を把握していきます。
テストクロージングを行い、提案中のお客様の課題が明確になれば、営業はその課題解決の提案をしてくことで、受注確率を上げていく事ができるようになります。
商品を説明して、お客様がそれでは「検討します」で終わっているようであれば、その商談の受注確率はどれぐらいか分かりません。
テストクロージングをしていくことで、検討課題を明確にし、受注確率を上げていく事ができるようになります。
お客様も購入する理由が明確になる
営業がテストクロージングを行う事で、お客様自身も自分が今迷っている理由が明確になります。
お客様も自分が言った買わない理由がなくなれば、心理的に購入しても良いと思い始めます。
例えば、価格で迷っている場合に、キャンペーンなどの情報を聞くと、今買うのがお得と判断して購入してしまうことがあると思います。
このように、今何で購入するか迷っているか明確な時に、それがクリアされると人はその商品を購入してしまうのです。
営業の効率化が出来る。
テストクロージングを行う事で、お客様の検討度合いが把握できます。
検討度合いが分かれば、このまま提案を継続したほうが良いのか?あきらめた方が良いのか?判断ができるようになります。
受注確率が低いのに、そのお客様に時間をかけて営業するよりは、他の商談を探す方が、効率的です。
このように、テストクロージングを行う事で、営業活動を効率化していく事もできるようになるのです。
トークスクリプトとして共有出来る
テストクロージングは、特に営業経験が必要なわけではなく、自社の営業のトークスクリプトとして営業全員で共有が出来ます。
新人営業などの経験の少ない営業担当者は、まだお客様の検討度合いを直感でわかるような技術はないので、このテストクロージングを活用することで、経験不足からの判断ミスを減少させることができます。
また、営業マネージャーにとってもそのような経験不足の営業からの報告が、テストクロージングをした結果だと信頼できるようになります。
テストクロージングのトークスクリプトは、営業部門で共有していくようにしましょう。
テストクロージングが有効なケース
テストクロージングはあくまで購入の可能性を確認するための営業トークになります。
ですので、どちらかというとBtoCの営業を行っている場合に有効的です。
BtoCの場合は商談相手は、基本決裁者になりますので、決裁者の意向が直接把握でき、テストクロージングの精度が上がります。
もちろんBtoBでも、相手がキーマン(決裁者)の場合は有効です。
もし商談相手が担当者で決裁権がないケースは、決裁者に説明できる場を設けてもらうように担当者に依頼をしていく必要があります。
テストクロージングが有効なタイミング
テストクロージングを行うタイミングはどのような時になるのでしょうか。
結論から言うと、特にタイミングはありません。
商談に入る前でも、商談後でもテストクロージングは可能です。
しいてタイミングを言うなら、商談後が良いかと思います。
商談の内容で、お客様の購入度合いは大きく変わります。ですので商談後にテストクロージングを行う事で、この後の可能性を把握しやすくはなります。
テストクロージングの具体的な活用
ここでは、テストクロージングの具体的な例を紹介していきます。
テストクロージングには決まったフレーズがあるわけではありません。あくまで参考としてご確認ください。
商談前に検討度合いを把握する
実際の導入時期はいつぐらいで考えていますか?
来月には利用できればいいなぁと思っています。
商談前に、導入時期などいつ頃で考えているか確認してみることで、検討度合いを把握することが出来ます。
例のようなケースだと、来月には導入したいという気持ちがあり、検討度合いが高いと考えれます。
提案後に状況を確認して受注するための課題を把握する
商品については理解いただけましたか?
契約するのに、何か不安な点があれば遠慮なく言ってください。
あとは価格がちょっと。。。予算オーバーしていて
予算はどれぐらいでお考えですか?
価格がクリアできれば、後は大丈夫ですか?
商談後は、このように商品について理解ができているか?契約するのに課題は何かを聞くようにします。
またその不安を解決できたら、契約してくれるのか?再確認しておきましょう。
お客様も、そこで「はい」と言えば、あとはその課題をクリアするための策を考えれば良いのです。
お客様も自分で「それ以上はない」と言っている手前、課題がクリアできれば契約する可能性が高まります。
お客様の課題をクリアできる提案した後に
お客様が契約をするのに不安に思う点を聞き出し、それを解決できる提案ができたら具体的な契約の話をしていきます。
契約するには、〇〇の書類の準備が必要になりますが、
そのあたりの書類の準備は可能ですか?
それなら、来週には準備できると思います。
ここまで進めば、もう受注の可能性はだいぶ高くなっています。
お客様が契約の準備を進めるような意思を示しているので、契約をしてくれる可能性は高い状況です。
テストクロージングの注意点
テストクロージングは、お客様をある意味契約する方向へ誘導するような営業トークでもあります。
あまり強引にやると押し売りのようになり、後からクレームになるケースもあります。
あくまで、自然な流れで行う事を意識して、お客様の回答に変に対抗するような事はしなようにしていきましょう。
ダメだと思ったら、あまりプッシュをせずに他の商談へ注力するようにしていきましょう。
まとめ
テストクロージングは、営業の受注確率を把握していく事ができる営業トークになります。
特に決まったフレーズはありませんので、取り扱いする商品にあったようなフレーズを考えておくと良いでしょう。
テストクロージングを活用して、受注確度を把握し、またお客様自身に買わない理由がない状態を認識してもらうために、有効的に活用していきましょう。
テストクロージングは難しい営業トークではないので、明日から営業の中で取り入れてみてはいかがでしょうか。