インサイドセールスの導入は、リード(見込み顧客)から商談を獲得する手段として、非常に有効な取り組みになります。
- 新規営業をしてもなかなか成果がでない。
- 商談数が少なくない。
- 展示会などで名刺交換した顧客から全く商談ができない。
もしあなたがこのような事を課題に思っているのであれば、インサイドセールスを立ち上げてみるのが良いかと思います。
私も営業にインサイドセールスを導入して、今までの2倍以上の商談数を確保することができるようになりました。もちろん商談数が増えれば、契約件数も増加し、売り上げアップにつながります。
インサイドセールスとは
インサイドセールスは、日本語では「内勤営業」になります。
従来営業は顧客との人間関係を構築するため、訪問し対面での商談が主流でしたが、インサイドセールスは訪問せず、電話やメールを中心とした営業手法になります。
もともと国土の広い米国で始まった営業手法で、訪問せずに電話やメールだけでクロージングまでする営業活動になるのですが、日本では、リード(見込み顧客)を育成しながら、商談を作る役割でインサイドセールスを導入している企業が多いです。
もちろん営業活動のすべて(クロージングまで)をインサイドセールスで行っている企業もあります。
少し前の2019年ぐらいには日本では10%ぐらいの導入率と言われていましたが最近の調査では、36.4%の導入率になっているようです。
日本国内での導入率は36.4% (導入企業のうち、直近1年以内に導入した企業は46.9%) (Source: https://www.hubspot.jp/inside-sales)
hubspot 2021年日本におけるインサイドセールスにおけるデータ集より
近年は新型コロナウイルスの影響もあり、対面での営業が難しくなり、より一層インサイドセールスの必要性が高まってきています。
テレアポとインサイドセールスの違い
電話で営業と聞くと、テレアポをイメージする人もいるかと思います。
テレアポとインサイドセールスは活動内容が違います。
テレアポは新規のリストに対して、電話でアポイント営業を行っていきます。アポがとれるかどうかがテレアポの結果になります。
インサイドセールスは、インバンド営業を中心に問い合わせがあった顧客に対して、顧客の課題やニーズを聞き出し、商談化につなげる活動や、リード(見込み顧客)に対して情報提供を行いながら、リード育成を行っていき、そこから商談を獲得する活動を行っています。
簡単に言うと、
- 新規営業 = テレアポ
- 顧客育成 = インサイドセールス
インサイドセールスの役割
インサイドセールスは、営業マンがなかなか手を付けにくい活動を行う重要な役割です。
営業活動で、商談や新規営業は行っても、一度新規営業等で名刺交換した顧客に対して、継続的にフォローをかける活動はなかなか行っていません。
理由は、手間と時間がかかるので、短期的な結果が必要な営業にとっては新規営業をしても、すぐに商談にならなければ、そのまま放置してしまうことが多いのです。
また一度商談してもそのまま保留になったような商談も営業はフォローが停滞してしまいます。
インサイドセールスはそのような、営業がなかなか時間を取れないフォロー営業を中心に行い、停滞しているリード情報から潜在ニーズを探り出し、新たな商談を獲得していくことが役割になります。
皆さんも展示会や、セミナーなどを行って、名刺は獲得したけどその直後に商談が生まれなければ放置している名刺がたくさんあるのではないでしょうか。
こういった眠ったリードに対しての育成をインサイドセールスが担当してくれるのです。
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスにはいろいろメリットがあります。ここではそのメリットについてご紹介していきます。
商談件数が確保できる
インサイドセールの一番のメリットは、商談件数を確保しやすくなることです。
今まで手を付けることが出来ていなかったリードに対して専任でアプローチをかけてることで、リードからの取りこぼしを極力抑えていくことが出来るのです。
商談数が確保できれば、もちろん契約件数も拡大し、売り上げアップにつながっていきます。
商談の成約率がアップする
インサイドセールは単純アポを取るのではなく、顧客の課題やニーズをヒヤリングしながら、ベストなタイミングで商談を獲得するような動きをしていきます。
課題やニーズが明確になっている状況で営業マンに商談が来るので営業マンも成約確率がアップしていきます。
またインサイドセールスが商談を獲得してくれるため、営業も商談に集中ができ、営業とのしての成長も見込めます。
業務の標準化ができる
インサイドセールを導入することで、営業の役割を分担できます。
営業が担当する範囲が広くなればなるほど、業務が属人化していきますが、対応範囲を分担していくことで営業の業務を標準化していくことが出来ます。
標準化していくことで、属人化も防止でき、組織営業を強化していくことが出来るようになっていきます。
営業が商談活動に集中できる
インサイドセールスが商談化を支援してくれるため、営業マンは商談活動に集中出来てきます。
営業が商談に集中することで提案の質が高まり、成約率のアップにつながっていきます。
また商談件数も確保できるようになり、営業が成長しやすい環境を作っていくことができるようになります。
インサイドセールスのやり方
ここでは、インサイドセールスがどのような事を行っているのか?そのやり方についてご紹介します。
新規顧客の見極め
展示会やセミナーなどで、集めたリード情報に対して、直ぐに商談ができるようなリードかどうかを見極めを行う活動を行います。
展示会やセミナーであれば、アンケート結果などをもとに、電話を行い今の課題やニーズを聞きながら商談チャンスがあるかどうかの見極めを行います。
今は商談チャンスがないと判断した場合は、メールなどを活用してリード育成にシフトしていきます。
リード情報の育成活動
商談化していないリードに対して情報提供を行っていきます。
マーケティング担当と協力しながら、セミナーを企画したりその案内をメールや電話でリードに案内していきます。
電話で話が出来れば、現状の課題意識の確認やその他提案につながるポイントがないか顧客の情報収集なども行い、育成状況も把握していきます。
営業のフォロー支援
営業担当が、商談件数が増え、停滞している商談に対してフォローできていないような状況がでるようであれば、営業担当者に代わって、提案中でもフォローを行うケースもあります。
営業担当者は、商談が長引いてくると、他の商談に力を入れていく為、停滞している商談のフォローが手薄になるケースがあります。
そういった場合でも、インサイドセールスが代わりにフォローしていくことで、商談の継続率をアップさせていくことが可能になるのです。
インサイドセールスを導入する
インサイドセールを導入する場合に、営業が兼務してやるような企業もありますが、出来ればインサイドセールの専任を付けることをお勧めします。
インサイドセールスは、どのようなやり方自社にとっていいのか?いろいろ行動してPDCAを回していき、成果を高めていく必要があります。
これから導入を考えている会社であれば、なおさらインサイドセールスに集中する環境が必要になります。
営業が兼務のような形にしてしまうと、どうしても営業担当者は目先の商談を優先しがちになり、なかなかインサイドセールスの効果が見えてきません。
一人でもいいので専任の担当をつけるようにしていきましょう。
インサイドセールスの立ち上げ方法については、「インサイドセールスの立ち上げを成功させる!【失敗経験談あり】」で紹介してますので参考にしてください。
インサイドセールスは営業経験者を専任にする
インサイドセールスは、本来営業が行っている業務の一部の業務になります。
これからインサイドセールスを導入するのであれば営業担当者を専任にしていくほうが、効果がでやすくなります。
出来るのであれば、そこそこ結果を出している営業担当者を専任に着けることをお勧めします。
インサイドセールスは先にも書きましたが、様々なメリットがあります。「できる営業」のノウハウをもとに体制を作っていくことで、成果を最大化していくことが出来ます。
KPIを決める
インサイドセールスは、営業とは違い商談を獲得することが目標になってきます。
そのために何をするか具体的なKPIは決めていきましょう。
- 電話件数
- 新規問い合わせからのアポイント率
- 商談化件数
このようなKPIを決め、進捗状況を把握していきましょう。
インサイドセールスは、電話での活動が多く、どうしても断られるケースが多いので担当者のモチベーションは成果に大きく影響してきます。
KPIを決め、自分の行動目標を明確にすることで確実に行動する意識を付けていくことが大切です。
インサイドセールスは辛い
インサイドセールスは、電話やメールでのコミュニケーションが中心で、リードによっては嫌がれるようなこともよくあります。
「インサイドセールスは辛い。その理由は?【業務の難しさと認識不足が原因】」の記事も紹介しましたが、インサイドセールは辛い場面も出てくるのです。
もちろん、営業の商談を獲得するという重要な役割ではありますが、モチベーション維持を行うためにも、環境面や待遇についても考慮していくことが必要です。
モチベーションを上げるためにも「インサイドセールスは辛いだけでない!成果を出す楽しみ方」の記事も参考にしてください。
インサイドセールスの評価
営業は契約という事業に直結する成果を出すので評価されがちですが、インサイドセールスはなかなか評価されないケースもあります。
毎日電話してストレスもたまり、モチベーション維持も難しい役割になるため、評価されなければ更にモチベーションの低下につながってしまいます。
まずは、営業マネージャーや経営者がインサイドセールの重要性を理解し、場合によっては営業以上に評価をするような取り組みをしていくことがインサイドセールスを継続させる意味では重要です。
営業にあるように、インサイドセールスも商談件数によってインセンティブ制度などを導入するのもモチベーションを上げる意味では効果があると思います。
インサイドセールスと同時に活用したいツール
インサイドセールスの効果を高めるためにも、MAツールの活用はおすすめします。
メール配信や、ステップメールなどを利用することでインサイド営業の活動を効率化できます。
またホームページへのアクセス状況などもインサイドセールが把握することでよりベストなタイミングでフォローが出来ます。
インサイドセールスを導入する際は、MAツールも含めて検討することをお勧めします。
MAツールについてはこちらで詳しく書いた記事がありますので参考にしてください。
まとめ
インサイドセールスは、営業が後回しにしてしまいがちな、リードの育成活動を専門的に行ってくれる役割です。
この活動を強化していくことで、営業が商談に収集できるような体制が作れてきます。
商談がないので、新規の飛び込み営業を行っているような営業組織であれば、社内にあるリード情報を集め、インサイドセールスを導入していくほうが効果が出る可能性は高いケースは多いです。
新型コロナウイルスの影響もあり、対面での営業スタイルからオンラインでの商談にシフトしていっている今だからこそ、インサイドセールスを導入してより効率的に商談を確保していく取り組みをしていくのもいいのではないでしょうか。